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Shopifyで売れない原因と改善施策|集客・CVR・客単価・リピートの4要素で診断する

Shopifyでストアを開設したものの、思うように売上が伸びないと悩むEC事業者は少なくありません。国内BtoC-EC市場は26兆円を超えて年5%前後のペースで拡大していますが、市場の成長と自社ストアの売上は別の話です。「アクセスはあるのに買われない」「そもそもアクセスが集まらない」「一度は買ってもらえてもリピートにつながらない」など、売れない原因は事業者ごとに異なります。

原因が特定できないまま手当たり次第に施策を試すと、時間と広告費だけが消えていきます。改善の第一歩は、自社ストアのどこにボトルネックがあるかを正確に診断し、効果の高い打ち手から順に実行していくことです。

本記事では、Shopifyストアが売れない原因を「集客・CVR・客単価・リピート」の4要素に分解し、それぞれの診断方法と具体的な改善施策を解説します。「Shopifyで商品が売れない原因がわからない」「改善に取り組んでいるが成果が出ない」といったご相談があれば、ぜひお気軽にご相談ください。▶ サービス紹介資料をダウンロードする(無料)

Shopifyストアが売れない原因を正しく特定する方法

Shopifyストアの売上は、「アクセス数 × CVR(購入率) × 客単価 × リピート率」の掛け算で構成されています。売上が伸びない原因を突き止めるには、まず4つの要素のうちどこが足を引っ張っているかを確認する必要があります。

たとえば月間アクセスが500で、CVRが1%、客単価が5,000円であれば、月の売上は25,000円です。同じ条件でアクセスが5,000に増えれば売上は250,000円、CVRが2%に改善すれば500,000円になります。

「売れない」と一口に言っても、アクセスがそもそも足りないのか、アクセスはあるのに購入されないのか、あるいは購入はされるが客単価が低いのか、一度きりで終わるのかによって打つべき施策がまったく違います。やみくもに広告を出しても、サイト側にCVRの問題があればザルに水を注ぐのと同じです。

Shopifyの管理画面にある「ストア分析」では、セッション数・CVR・平均注文金額・リピーター率などの基本指標を確認できます。まずはこの画面で直近3か月の推移を確認し、どの指標が業界水準から乖離しているかを特定することが出発点です。

EC業界全体のCVR平均は1〜3%程度とされています。自社のCVRが0.5%未満であればサイト内改善が最優先になりますし、CVRは2%あるのにアクセスが月500以下であれば集客施策を優先するのが合理的です。

具体的な診断手順としては、Shopifyの管理画面「ストア分析→概要」で直近90日間のデータをダウンロードし、月ごとにセッション数・CVR・平均注文金額の3指標を並べます。3つの指標のうち、業界平均を大きく下回っている項目がボトルネックです。

複数の指標が同時に低い場合は、まずCVRの改善から着手するのが定石です。CVRが低いままアクセスを増やしても売上への変換効率が悪く、広告費の浪費につながります。サイト内のCVR改善 → 集客拡大 → 客単価向上 → リピート施策の順序で取り組むのが合理的な進め方です。

ここからは、4つの要素それぞれについて、売れない原因の典型パターンと改善施策を掘り下げていきます。

集客不足が原因のケース|アクセス数を増やす改善施策

Shopifyストアは楽天市場やAmazonのようなモールと違い、プラットフォーム側が集客してくれる仕組みがありません。開設しただけでは検索にも表示されず、アクセスはほぼゼロからのスタートです。

「Shopifyは売れない」と言われる最大の原因はここにあります。モールであれば出店するだけで一定の流入が見込めますが、自社ECでは集客を自前で設計する必要があります。国内BtoC-EC市場のEC化率は約10%で、オンラインでの購買行動は年々拡大しています。市場環境自体は追い風ですが、その追い風をストアに取り込む集客の仕組みがなければ売上には結びつきません。

自社ECとモールの集客構造の違いを理解する

楽天市場やAmazonには、毎月数千万人のユーザーがモール内検索を通じて商品を探しに来ます。出店者は「モール内SEO」と「モール広告」の2軸で集客を設計すれば一定の流入が確保できます。

一方、Shopifyストアの集客チャネルは大きく分けてSEO(自然検索)、SNS、Web広告の3つです。どのチャネルもストア側が能動的に動かなければ流入は生まれません。

この構造の違いを理解しないまま「商品を並べれば売れるはず」と考えていると、アクセスがゼロのまま時間だけが過ぎていきます。Shopifyを使う以上、集客は経営課題の筆頭として取り組む必要があります。

集客チャネルの特性を整理すると、SEOは初期投資が必要だが軌道に乗れば低コストで安定流入が見込め、SNSは無料で始められるが継続的な発信が求められ、Web広告は即効性がある代わりに止めた瞬間に流入がゼロになるという性質があります。単一チャネルに依存せず、短期(広告)・中期(SNS)・長期(SEO)をバランスよく組み合わせるのが理想的な集客設計です。

SEO対策|検索流入を中長期で積み上げる

SEOはShopifyストアの集客基盤です。広告のように費用をかけ続ける必要がなく、検索順位を獲得すれば安定的な流入が期待できます。

Shopifyで取り組むべきSEO施策は、商品ページの最適化とブログ記事によるコンテンツSEOの2つに分かれます。商品ページでは、タイトルタグ・メタディスクリプション・alt属性にターゲットKWを自然に含めることが基本です。

ブログ機能はShopifyに標準搭載されています。自社商品に関連するKWで記事を書き、検索経由の新規流入を獲得するコンテンツマーケティングは、広告費を抑えながら見込み客を集める手段として有効です。

Shopify固有のSEO設定として、商品ページのURL構造の最適化、サイトマップの自動生成(/sitemap.xml)、リダイレクト設定があります。URL構造は「/products/商品名」の形式で自動生成されますが、日本語URLはSEO上不利になるため、英語のスラッグに手動で変更するのが望ましいです。

また、Shopifyはページのメタタイトルとメタディスクリプションを商品ごとに個別設定できます。初期状態では商品名がそのままタイトルタグに入りますが、検索KWを含んだタイトルに書き換えることでクリック率(CTR)が改善し、自然検索からの流入が増加します。

ただし、SEOは成果が出るまでに3〜6か月かかります。短期で売上を立てたい場合はSEOだけに頼らず、SNSや広告と併用する必要があります。

SNS集客|Instagram・X・TikTokの活用

SNSはShopifyストアへの導線として即効性があります。特にInstagramはShopifyとの連携機能が充実しており、投稿やストーリーズから直接商品ページへ遷移させることが可能です。

SNS集客のポイントは、商品の紹介だけで終わらせないことです。使い方の提案、顧客のレビュー紹介、製造過程の公開などブランドの世界観を伝えるコンテンツが、フォロワーのエンゲージメントを高めます。

TikTokは若年層向け商材との相性がよく、短尺動画で商品の魅力を視覚的に伝えられます。ShopifyはTikTok Shopとの連携にも対応しており、動画から直接購入につなげる導線を作れます。

SNS運用で陥りがちなのは「フォロワー数だけを追いかける」ことです。フォロワーが多くても購入に至る導線がなければ売上にはつながりません。プロフィールリンク、ストーリーズリンク、ショッピング機能を必ず設定し、ストアへの遷移ポイントを複数用意しておくことが前提です。

Web広告|短期で集客を立ち上げる

SEOやSNSが育つまでの間、Web広告は最速で集客を立ち上げる手段です。Shopifyストアと相性のよい広告チャネルは、Google検索広告・Googleショッピング広告・Meta広告(Instagram/Facebook)の3つです。

Google検索広告は「Shopify ○○ 購入」のように購入意欲の高いKWに出稿でき、CVRが高い傾向にあります。Googleショッピング広告はShopifyのGoogleチャネル連携で商品フィードを自動同期でき、設定のハードルが比較的低いです。

Meta広告はリターゲティング配信が強力です。一度ストアを訪問したユーザーにInstagramやFacebookのフィードで広告を表示し、再訪問と購入を促せます。

広告運用で気をつけるべきは、ROAS(広告費用対効果)の管理です。原価率・送料・広告費を差し引いた利益ベースで採算ラインを事前に計算し、採算が合わない広告は早期に停止する判断が求められます。

広告予算の目安としては、月商の10〜20%を広告費に充てるのが一般的です。月商100万円を目指すなら月10〜20万円程度の広告費が必要になります。少額から始めてデータを蓄積し、採算の合うチャネルに予算を集中させていく運用が効率的です。

ShopifyにはGoogleチャネルとFacebook(Meta)チャネルが標準で用意されており、管理画面から直接広告キャンペーンの作成・管理ができます。外部の広告管理ツールを使わなくてもShopifyの管理画面内で基本的な運用は完結するため、広告初心者でも始めやすい環境です。

関連記事:ECサイトの集客方法|低予算でも成果を出す実践手順

CVRが低いケース|サイト内改善の具体策

アクセスは集まっているのに購入に至らない場合、サイト内に離脱の原因があります。EC業界のCVR平均は1〜3%ですが、ストアの設計や導線に問題があるとCVRが0.5%を下回ることも珍しくありません。

CVRの低さは「アクセスを売上に変換できていない」状態です。せっかく広告費をかけて集めたアクセスが購入に結びつかないのは、もっとも損失の大きいボトルネックといえます。

ファーストビューの改善

ユーザーがストアにアクセスして最初に目に入る領域(ファーストビュー)で離脱するか留まるかが決まります。ECサイトの場合、トップページのファーストビューで伝えるべきは「何を売っているストアか」「自分にとってメリットがあるか」の2点です。

抽象的なイメージ画像だけが大きく表示され、商品カテゴリや価格帯がわからないトップページは離脱率が高くなります。看板商品・送料無料の条件・期間限定のオファーなど、購入動機に直結する情報をファーストビュー内に配置します。

スマートフォンではファーストビューの面積がPC以上に限られます。Shopifyストアのアクセスの70%以上はモバイル経由というデータがあり、スマートフォン表示での見やすさを最優先に設計する必要があります。

ファーストビューの改善はコストをかけずにすぐ実行できる施策です。Shopifyのテーマカスタマイザーからヒーローバナーの画像・テキスト・ボタンを変更するだけで対応できます。改善前後でCVRの変化を1〜2週間計測し、数値が改善したほうを残すA/Bテストの考え方で運用すると、感覚ではなくデータに基づいた改善が進みます。

商品ページの最適化

CVRに最も直結するのは商品ページです。ユーザーが購入を決断するために必要な情報が不足していると、「もう少し調べてから買おう」と離脱してしまいます。

商品ページで確認すべきポイントは、商品画像の質と枚数、商品説明文の具体性、価格と送料の明示、レビューの有無、購入ボタンの視認性の5つです。商品画像は最低5枚以上、使用シーンやサイズ感がわかるカットを含めるのが理想です。

商品説明文はスペックの羅列ではなく、ユーザーが商品を使ったときにどう変わるかをイメージできる内容にします。「オーガニックコットン100%」と書くだけでなく、「敏感肌でも安心して使える肌触り」のように、読み手の課題解決に結びつける表現が購入率を押し上げます。

レビューはCVR改善において強力な要素です。購入者にレビュー投稿を依頼するフォローメールを自動送信する仕組みをShopifyアプリで構築すれば、レビュー数は着実に増やせます。

購入ボタン(Add to Cart)の視認性も見落としがちなポイントです。ボタンの色がページ背景と同系色で目立たない、スクロールしないとボタンが表示されないといった問題はCVRを直接的に押し下げます。ボタンはページ内でもっとも目立つ色にし、スマートフォンでは画面下部に固定表示(スティッキーカート)にすることで、購入動線のロスを減らせます。

送料・配送期間の明示も商品ページ内で完結させるのが理想です。「商品ページでは送料がわからず、カートに進んだ段階で初めて送料が表示される」設計では、想定外のコスト追加に感じたユーザーがカゴ落ちします。商品ページ内に「全国一律○○円」「○○円以上で送料無料」と明記しておくことで、購入判断に必要な情報がワンページで完結します。

関連記事:EC商品説明文の書き方|CVR改善の実践ガイド

カゴ落ち対策

ECサイトにおけるカゴ落ち率(カートに商品を入れたまま離脱する割合)は平均60〜80%に達します。日本国内のEC企業に限定しても、平均約65%の顧客がカートを放棄しているとされています。

カゴ落ちの主な原因は、想定外の送料・手数料の加算、アカウント登録の強制、決済手段の不足、購入手続きのステップ数の多さの4つです。Shopifyの場合、以下の設定でカゴ落ち率を改善できます。

送料の事前表示は効果が大きい改善策です。カート画面ではなく商品ページの段階で送料を明示するか、「○○円以上で送料無料」の条件をヘッダーに常時表示しておくことで、送料を理由とした離脱を減らせます。

ゲスト購入の許可も必須です。Shopifyの設定画面からチェックアウト方法を「アカウント作成を任意にする」に変更するだけで対応できます。アカウント登録を強制するとそれだけで約30%のユーザーが離脱するというデータもあります。

決済手段はクレジットカード・Apple Pay・Google Pay・コンビニ決済・銀行振込など、できるだけ多くの選択肢を用意します。Shopifyペイメントを有効にすれば、主要クレジットカードとApple Pay・Google Pay・Shop Payに対応できます。

カゴ落ちメールもShopifyの標準機能で設定できます。カゴ落ち発生から1時間以内にリマインドメールを自動送信する設定が推奨されます。カゴ落ちメールの開封率は40%前後、コンバージョン率は10%前後という報告もあり、売上回収の効果が高い施策です。

Shopifyの管理画面「設定→チェックアウト」からカゴ落ちメールの自動送信を有効にできます。メール文面もカスタマイズ可能で、カートに残っている商品名・画像・価格を自動挿入する変数が使えます。「お買い忘れはありませんか」のような汎用的な件名よりも、「カートに入れた○○がまだお待ちしています」のように商品名を含む件名のほうが開封率が高まります。

カゴ落ちメールに加えて、期間限定のクーポンコードを付与するのも効果的な手法です。「24時間以内のご注文で5%OFF」のような時限クーポンを添えることで、購入の後押しになります。ただし、クーポンの乱発はブランド価値の毀損や「クーポン待ち」の行動を助長するリスクがあるため、頻度とタイミングのバランスを見ながら運用する必要があります。

関連記事:ECサイトのカゴ落ち対策|離脱原因と改善施策

表示速度の改善

ページの読み込み速度はCVRに直結します。ページの読み込みが1秒遅れるとCVRが最大20%低下し、3秒を超えるとバウンス率(直帰率)が約3倍に跳ね上がるという調査結果があります。

Shopifyストアの表示速度が遅くなる主な原因は、未圧縮の高解像度画像、インストールしすぎたアプリ、テーマのJavaScript肥大化の3つです。

画像はWebP形式に変換し、1枚あたり200KB以下に圧縮するのが目安です。Shopifyにアップロードした画像は自動でWebP配信される仕組みがありますが、元画像のサイズが大きすぎると圧縮後もファイルサイズが膨らみます。

アプリは便利ですが、インストールするたびにストアにJavaScriptが追加され、読み込み速度に影響します。使っていないアプリは削除し、定期的にアプリ数を見直す習慣が必要です。目安として、インストール済みアプリは20個以下に抑えることが推奨されます。

テーマの選択も表示速度に影響します。無料テーマ「Dawn」はShopifyが公式に提供するOS 2.0対応テーマで、表示速度が最適化されています。カスタマイズ性が高い有料テーマのなかには、多機能ゆえにJavaScriptが肥大化しているものもあるため、テーマ選定時に速度スコアを比較検討する視点が必要です。

Shopifyの管理画面「オンラインストア→テーマ→速度」で、自社ストアの速度スコアを確認できます。Googleが提供するPageSpeed Insightsでも詳細な改善提案を得られます。速度改善は一度対応すれば継続的に効果が持続するため、CVR改善のなかでも投資対効果の高い施策です。

表示速度の改善に取り組む優先順位としては、画像圧縮(効果大・工数小)→ 不要アプリの削除(効果中・工数小)→ テーマの見直し(効果大・工数大)の順で進めるのが効率的です。まずは画像の最適化とアプリの棚卸しから着手するだけでも、体感できるレベルの速度改善が期待できます。

関連記事:自社ECの転換率を改善する方法|低い原因の診断から施策まで

客単価が低いケース|購入単価を引き上げる施策

アクセスもCVRも問題ないのに売上が伸びない場合、客単価がボトルネックになっていることがあります。1回の購入金額が低ければ、集客とCVRがどれだけ良くても売上の天井が低いままです。

客単価を引き上げる施策は、値上げとは異なります。ユーザーが「ついでに買いたい」「もう少し上のグレードを試したい」と感じる仕組みを設計することで、自然な形で購入金額を引き上げていきます。

クロスセル|関連商品の提案

クロスセルは、ユーザーがカートに入れた商品と関連性の高い別の商品を提案する手法です。たとえばスキンケア化粧水を購入するユーザーに、同シリーズの乳液やクレンジングを提案するパターンがこれにあたります。

Shopifyでは商品ページのカート下部やカートページに「おすすめ商品」セクションを表示するアプリが複数あります。Shopifyの標準機能でも「関連商品」セクションをテーマ設定から有効にできます。

クロスセルの効果を高めるポイントは、提案する商品の関連性と価格帯です。カート内商品と無関係な高額商品を提案しても逆効果になります。カート内商品の30〜50%以下の価格帯で、使用シーンが重なる商品を提案するのが基本です。

クロスセルの表示位置も成果を左右します。商品ページの下部に表示するパターンが一般的ですが、カートページやチェックアウト直前に表示するパターンのほうが購入決定に近い段階で提案できるため、追加購入率が高い傾向にあります。Shopifyのテーマによって表示位置のカスタマイズ性が異なるため、自社テーマの設定項目を確認してみてください。

アップセル|上位グレードへの誘導

アップセルは、ユーザーが選んだ商品より上位のグレードや大容量パッケージを提案する手法です。「通常サイズ2,000円 → お得な大容量サイズ3,200円(1gあたり20%お得)」のような訴求が典型的なアップセルです。

Shopifyの商品バリアント機能を使えば、同一商品ページ内でサイズ・容量の選択肢を並べ、上位グレードのお得感を視覚的に伝えられます。価格差を「1個あたり○○円お得」のように明示すると選択率が上がります。

セット販売・バンドル

複数の商品をまとめて割引価格で販売するセット販売(バンドル)は、客単価を引き上げる定番施策です。「3点セットで10%OFF」「初回限定お試しセット」のような設計が一般的です。

Shopifyではバンドル販売専用のアプリを使えば、組み合わせの自由度を持たせたカスタムバンドルを作成できます。テーマのカスタマイズだけで対応する場合は、セット用の商品ページを個別に作成し、構成商品を商品説明文に明記する方法があります。

セット販売の設計で注意すべきは、値引きによる利益率の低下です。値引き後も粗利が確保できる構成にすることが前提です。利益率の高い商品と低い商品を組み合わせて全体の粗利バランスを調整する手法が実務では使われています。

送料無料ラインの設定

「○○円以上で送料無料」のラインを設定することで、客単価の底上げが期待できます。現在の平均注文金額の120〜130%程度を送料無料ラインに設定するのが目安です。

平均注文金額が3,000円であれば、送料無料ラインは3,800〜4,000円に設定します。ユーザーは「あと1,000円分買えば送料無料」と感じ、追加購入を検討します。送料無料ラインの設定は客単価アップの施策のなかでもっとも手軽で、導入日から即効果が出るのが特徴です。

注意点として、送料無料ラインを高く設定しすぎると逆効果になります。現在の平均注文金額から大幅に離れた金額を送料無料ラインにすると、「どうせ届かない」と感じたユーザーが追加購入を諦めます。あくまで「もう1〜2品追加すれば届く」範囲に設定するのがコツです。

Shopifyの配送設定で送料無料の条件を金額ベースで設定でき、ヘッダーに「○○円以上で送料無料」のバナーを常時表示するテーマカスタマイズと組み合わせると効果的です。

関連記事:ECサイトの客単価アップ施策|クロスセル・定期購入の実践手順

リピーターが定着しないケース|再購入を促す仕組みづくり

新規顧客の獲得コスト(CAC)は既存顧客の維持コストの5〜7倍とされています。リピーターが定着しないまま新規集客だけに依存する構造では、広告費がかさみ続けて利益が残りません。

Shopifyストアで売上が安定しない事業者の多くは、初回購入後のフォロー施策が設計されていないケースが大半です。「一度買ってくれた顧客を放置している」状態を改善するだけで、売上の安定性は大きく変わります。

購入後のフォローメール

初回購入後のフォローメールは、リピート率を改善するもっとも基本的な施策です。購入直後の「お礼メール」、到着後の「使い方の案内」、2〜3週間後の「レビュー依頼+次回購入クーポン」の3段階で構成するのが一般的です。

Shopifyの自動メール機能(Shopify Flowまたはメールマーケティングアプリ)を使えば、購入からの経過日数に応じた自動配信が設定できます。手作業で1通ずつ送る必要はありません。

フォローメールの内容は「売り込み」ではなく「購入体験のサポート」を主軸にします。商品の使い方のコツ、他の購入者の活用例、よくあるQ&Aなど、受け取ったユーザーに価値がある情報を提供することで開封率と再購入率が高まります。

メルマガ・LINE配信によるCRM

フォローメールは購入者向けの自動配信ですが、メルマガやLINEは見込み客を含む全会員に向けた定期的な情報発信です。新商品の案内、季節のおすすめ、限定セールの告知など、再訪問と購入を促すきっかけを定期的に届けます。

Shopifyのメール機能(Shopify Email)では、月10,000通まで無料で配信できます。セグメント機能を使えば、「過去30日以内に購入した顧客」「カート放棄した顧客」「VIP顧客」など条件別に配信内容を分けることも可能です。

LINE公式アカウントとの連携も、日本市場では効果的な施策です。メールの開封率が15〜20%程度であるのに対し、LINEの開封率は60%前後とされています。Shopifyと連携するLINEアプリを導入すれば、購入通知やカゴ落ちリマインドをLINEで配信できます。

メルマガとLINEのどちらを優先するかは、ターゲット層によって判断します。30代以上のビジネスパーソン向けであればメールの方が読まれやすく、20代の消費者向けであればLINEの方が到達率・開封率ともに高い傾向にあります。両方を運用できるリソースがあれば併用が理想ですが、まずはどちらか一方から始めて成果を確認してから拡張する進め方が現実的です。

配信頻度も計画的に設計します。週に何通も送ると解除やブロックが増えるため、週1〜2回を上限にするのが目安です。セール情報ばかりではなく、商品の活用法や業界のトレンド情報など、受け取ったユーザーにメリットのある内容を織り交ぜることで、長期的な関係を維持できます。

定期購入(サブスクリプション)の導入

消耗品や食品など、定期的に購入される商材であれば、サブスクリプション(定期購入)の仕組みを導入することでLTV(顧客生涯価値)を大幅に引き上げられます。

Shopifyにはサブスクリプション対応のアプリが複数あり、「毎月配送」「隔月配送」「3か月ごと」などの頻度をユーザーが選択できる仕組みを構築できます。定期購入者には通常価格から10〜15%の割引を提供するのが一般的です。

定期購入の導入で重要なのは、解約のハードルを上げすぎないことです。解約手続きが複雑だと顧客満足度が下がり、口コミにも悪影響が出ます。マイページから簡単にスキップ・解約できる導線を確保したうえで、継続特典(ポイント付与、限定商品の優先購入など)で自然な継続を促す設計が望まれます。

サブスクリプション導入前にまず確認すべきは、自社商品が定期購入に向いているかどうかです。消耗品(化粧品・サプリメント・食品・ペット用品など)は定期購入との相性が良い一方、耐久消費財やファッションアイテムは通常の定期購入よりも「頒布会」「セレクトボックス」形式のほうが適しています。

定期購入の解約率(チャーンレート)の業界平均は月5〜10%程度とされています。解約率を下げるには、初回購入から3か月以内に「この商品を使い続ける理由」を体感してもらう必要があります。購入後フォローメールで使い方のコツを伝えたり、2回目以降の配送にサンプル品を同梱したりする工夫が、解約率の低減に寄与します。

関連記事:ECサイトのLTV向上を実現する施策と実行ロードマップ

Shopify固有の設定で見落としやすい売上阻害要因

集客・CVR・客単価・リピートの4要素に加えて、Shopify固有の設定ミスや見落としが売上を阻害しているケースがあります。プラットフォームの機能を正しく活用できていない状態は、意外と多くのストアで見受けられます。

テーマ選定のミスマッチ

Shopifyのテーマ(デザインテンプレート)は100種類以上ありますが、商材やターゲット層に合わないテーマを選んでしまうと、CVRに悪影響が出ます。アパレルEC向けに設計されたテーマを食品ECに使う、モバイル最適化が不十分な旧世代テーマを使い続けるといったケースが典型です。

Shopifyの無料テーマ「Dawn」はOS 2.0対応で表示速度も速く、多くのジャンルに対応できます。有料テーマを選ぶ場合は、商品点数・カテゴリ構成・ターゲットデバイス(PC/スマホ比率)に合ったものを選定することが前提です。

テーマ変更はストア全体のデザインに影響するため慎重な判断が必要ですが、CVRが低い原因がテーマにある場合は早めに対応すべきです。Shopifyのプレビュー機能を使えば、公開前にテーマ変更後の見え方を確認できます。

アプリの入れすぎによるパフォーマンス低下

Shopifyのアプリストアには数千のアプリが公開されており、機能拡張が簡単にできるのはShopifyの大きな強みです。しかし、アプリを入れすぎるとストアの表示速度が低下し、CVRの悪化を招きます。

アプリはインストール時にストアのテーマにJavaScriptやCSSのコードを埋め込みます。アプリを削除してもコードの残骸が残るケースがあり、累積するとページの読み込み時間を圧迫します。

対策として、インストール済みアプリを定期的に棚卸しし、「売上に直結しているアプリ」「運用効率を上げているアプリ」「ほとんど使っていないアプリ」に分類します。使っていないアプリは削除し、アンインストール後に残ったコードもテーマのコードエディタから手動で除去するのが理想です。

決済手段の不足

日本のEC利用者が使いたい決済手段は多岐にわたります。クレジットカード以外に、コンビニ決済、銀行振込、代金引換、後払い(BNPL)、キャリア決済、各種QRコード決済への対応が求められます。

Shopifyペイメントを有効にすればクレジットカード・Apple Pay・Google Payには対応できますが、コンビニ決済や後払いには別途アプリの導入が必要です。KOMOJUやPaidyなどの決済アプリを追加することで、日本市場向けの決済手段を網羅できます。

ユーザーが使いたい決済手段に対応していないだけでカゴ落ちが発生します。特に後払い(BNPL)は20〜30代の利用率が高く、導入するだけでCVRが数%改善したという報告もあります。

ストアの信頼性を示す要素の不足

初めて訪れるストアで購入するには、ユーザーは「このストアは信頼できるか」を判断する材料を必要とします。特に個人ストアや知名度の低いブランドの場合、信頼性を担保する要素が不足していると購入をためらいます。

信頼性を高める要素として、特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、返品・交換ポリシーの3ページは最低限必要です。これらが未整備のストアは、ユーザーだけでなくGoogleの評価にもマイナスに働きます。

それに加えて、購入者レビュー、メディア掲載実績、SSL証明書のバッジ表示、実店舗がある場合は店舗情報の掲載など、ユーザーが安心材料として参照する情報をフッターや商品ページに配置します。Shopifyストアは標準でSSL(https)対応していますが、SSLバッジをフッターに表示するだけでも信頼感の向上に寄与します。

「About(ストアについて)」ページも信頼構築に有効です。ブランドの誕生背景、製造へのこだわり、運営者の顔写真やメッセージなど、ストアの「人となり」が伝わるコンテンツがあると、初訪問のユーザーでも安心して購入に踏み切りやすくなります。大手ECモールと違い、自社ECでは「このストアから買って大丈夫か」という心理的なハードルが高いため、信頼性を高める要素は手を抜かずに整備すべき領域です。

Shopify管理画面の分析機能を活用できていない

Shopifyの管理画面には、ストア分析(アナリティクス)が標準搭載されています。セッション数、CVR、平均注文金額、トップページ別の閲覧数、リファラー別のトラフィックなど、改善に必要な基本指標が確認できます。

GA4(Google Analytics 4)との連携も推奨されます。ShopifyのGA4連携はタグを管理画面から追加するだけで設定でき、ユーザーの行動フローやイベント計測をより詳細に把握できます。

データを見ずに施策を打つのは、根拠のない推測で動いているのと同じです。最低でも週に1回はShopifyの管理画面で主要KPIの推移を確認し、数値の変化に基づいて施策を優先順位づけする習慣が必要です。

分析で確認すべき指標の優先度は、セッション数の推移(集客の量)、デバイス別CVR(PC/スマホの差異)、流入元別の購入率(どのチャネルが売上に貢献しているか)、リピーター比率(新規とリピートの構成比)の4つです。月次で推移を追い、前月比・前年同月比で変化を把握することで、改善施策の効果検証と次のアクションの判断材料になります。

GA4を導入している場合は、ファネル分析(探索レポート)を使って「商品ページ閲覧 → カート追加 → チェックアウト開始 → 購入完了」の各ステップでの離脱率を確認します。離脱率がもっとも高いステップがボトルネックであり、離脱が集中しているステップに絞った改善施策を優先することで効率的にCVRを改善できます。

関連記事:EC GA4データ分析で売上を改善する方法|計測から施策まで

よくある質問

Q:Shopifyは本当に売れないプラットフォームなのですか?
A:Shopifyが売れないのではなく、自社ECには「自分で集客する」という前提が必要です。楽天市場やAmazonのようにプラットフォーム側が集客を支援するモールとは構造が異なるため、SEO・SNS・広告などの集客施策を自前で設計する必要があります。集客設計ができていれば、Shopifyは手数料が低く利益率の面で有利なプラットフォームです。

Q:Shopifyストアの売上改善で最初に手をつけるべきことは何ですか?
A:まずShopifyの管理画面でセッション数・CVR・平均注文金額・リピート率の4つの数値を確認し、どこにボトルネックがあるかを特定することが先決です。アクセスが月500以下なら集客施策、CVRが0.5%以下ならサイト内改善が最優先になります。原因を特定せずに手当たり次第に施策を試すのはコストと時間の無駄につながります。

Q:Shopifyストアの表示速度はどれくらいが適正ですか?
A:GoogleのCore Web Vitals基準では、LCP(最大コンテンツの描画時間)が2.5秒以下であることが推奨されています。ページ読み込みが3秒を超えるとバウンス率が約3倍に増加するというデータがあり、表示速度はSEOとCVRの両面に影響します。Shopifyの管理画面「オンラインストア→テーマ→速度」で自社ストアのスコアを確認できます。

Q:Shopifyで売上を改善するのにどれくらいの期間がかかりますか?
A:施策の種類によって異なります。カゴ落ちメールの設定や決済手段の追加など、サイト内改善は即日〜1週間で効果が出始めます。SEO対策やコンテンツマーケティングは3〜6か月、SNSの運用は2〜3か月のスパンで効果を判断する必要があります。短期で成果を出したい場合はWeb広告とサイト内改善を並行して進めるのが現実的です。

Q:Shopifyで売れるためにアプリは何個くらい入れるべきですか?
A:必要な機能を過不足なくカバーする範囲にとどめ、目安として20個以下に抑えるのが推奨です。アプリを入れすぎるとストアの表示速度が低下し、CVRの悪化につながります。定期的にインストール済みアプリを棚卸しし、使っていないアプリは削除する運用が必要です。

まとめ

Shopifyストアが売れない原因は「集客・CVR・客単価・リピート」の4つの要素に分解して診断できます。自社ストアのどこにボトルネックがあるかを数値で特定し、効果の大きい施策から順に実行していくことが改善の最短ルートです。

集客が不足していればSEO・SNS・広告の3軸で流入を確保し、CVRが低ければファーストビュー・商品ページ・カゴ落ち対策・表示速度の改善に取り組みます。客単価の向上にはクロスセルやセット販売、リピーター定着にはフォローメールや定期購入の仕組みが有効です。

「Shopifyの売上が伸び悩んでいて何から手をつけるべきかわからない」「施策を試しているが数字に変化が出ない」といったご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。TSUMUGUでは、Shopifyストアの現状を診断しながら売上改善のための施策設計を一貫してサポートしています。→ まずは相談する(無料)

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