クラウドファンディング「Makuake」での目標達成率990%。自社ECサイトはリリースわずか2か月で黒字化、そしてリリースから1年で月商800万円超。アパレル雑貨D2C企業の創業者が振り返る、ゼロからのEC立ち上げと、壁にぶつかるたびに前進し続けた記録。
| 成果項目 | 結果 |
|---|---|
| Makuakeプロジェクト達成率 | 990% |
| 自社EC黒字化 | リリースから2か月 |
| 月商 | リリース1年で800万円超 |
| EC運営体制 | 構築からロジ発送・CS対応まで仕組み化 |
プロジェクトの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業名 | アパレル雑貨D2C企業様 |
| 会社概要 | 業界:アパレル雑貨 形態:D2C |
| ご支援内容 | 自社EC立ち上げ支援・Makuake支援・SNS支援 |
| ご支援対象の商材 | アパレル雑貨全般 |
| ご支援前の状況 |
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| プロジェクトのサマリ |
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ブランド立ち上げの経緯と、最初の壁
-なぜMakuakeでのクラウドファンディングからスタートしようと考えたのですか?
D2Cで自分たちのブランドを作りたいという気持ちはあったんですが、いきなり自社ECを立ち上げてゼロから集客するのはリスクが高すぎると感じていました。Makuakeなら、プラットフォームにすでにユーザーがいる。まずそこで「この商品が世の中に求められているのか」を検証してから次のステップに進もう、というのが最初の考えでした。ただ、Makuakeをどう使えばいいかは本当に何もわからなかった。ページの作り方も、支援を集めるための仕掛けも、リターン設計も、すべてゼロからのスタートでした。
-「何もわからない」という状態は、具体的にどんな状況でしたか?
Makuakeのプロジェクトページって、ただ商品説明を書けばいいわけじゃないんです。ストーリーの見せ方、画像の構成、リターン金額の設定、公開タイミング、SNSとの連動方法――考えるべきことが想像以上に多くて。最初に自分たちで書いたページ案を見返すと、今思えば「これは支援が集まるわけがない」という内容でした(笑)。商品への自信はあったんですが、それを伝える手段をまったく持っていなかったですね。
Makuake990%達成までの道のり
-コンサルティングを受けてから、まず何が変わりましたか?
一番変わったのは「プロジェクトを設計する」という視点を持てたことです。それまでは「いい商品を作ればページを見た人が買ってくれる」という感覚でいたんですが、Makuakeで支援を集めるには、ページに来た人を支援者に転換するための導線設計が必要なんですよね。ファーストビューで何を伝えるか、どの順番でストーリーを展開するか、リターンをどう見せるか――こういった細かい設計を一つひとつ教えてもらいながら作り上げていきました。
-990%という数字は、ご自身の予想を超えていましたか?
正直に言うと、「目標を達成できればいい」くらいの感覚でいました。100%を超えれば成功、と思っていたので、990%という数字が出たときは自分でも信じられなかったですね。支援が集まり始めたときの感覚は今でも忘れられないです。公開直後から通知が鳴り続けて、「あ、これは本当に必要とされていたんだ」という実感が初めて湧いてきました。ただ、冷静に振り返ると、あの数字はプロジェクトの設計と事前の仕込みがあってこその結果だったと思っています。自分たちだけでやっていたら、おそらく100%すら難しかったと思います。
-Makuakeで成功したことで、何が変わりましたか?
大きく二つあります。一つは「この商品は売れる」という確信が持てたこと。社内の士気も上がったし、次のステップへの投資判断もしやすくなったことです。もう一つは、Makuakeの支援者がそのままブランドのファンになってくれたことです。自社ECを立ち上げたとき、最初のお客様の多くはMakuakeで出会った方々でした。クラウドファンディングがただの資金調達ではなく、顧客獲得の場になっていたことに、後から気づきました。
自社EC立ち上げ:「2か月で黒字化」の舞台裏
-Makuakeの成功後、自社ECを立ち上げることになった経緯を教えてください。
Makuakeは素晴らしいプラットフォームですが、継続的にブランドを育てるには自分たちの「場所」が必要だと感じていました。リピーターのお客様との関係を深めたい、商品ラインナップを自由に展開したい、ブランドの世界観をきちんと表現したい――そういう思いがあって、自社ECの立ち上げを決めました。ただ、これまたゼロからのスタートで。サイトをどう作るか、どこで作るか、決済をどう組むか、在庫管理はどうするか、配送はどうするか。本当に何もわからない状態でした。
- 「何もわからない」という状態から、どうやって立ち上げを進めたのですか?
コンサルティングの方に文字通り手取り足取り教えていただきました。まずプラットフォームの選定から始まって、ページデザインの方針、商品ページの書き方、決済・配送業者との連携方法、在庫とロジの管理フロー、CSの対応ルール作り……本当に細かい部分まで一緒に考えて、仕組みとして作り上げていきました。私たちは小さなチームなので、少人数でも回せる運営体制にすることが最優先でした。人が増えなくても、仕組みが機能すれば動く―そのことを、立ち上げのプロセスで学びました。
-リリースから2か月で黒字化、というのはどう実現したのでしょうか?
一番大きかったのは、立ち上げ前から「誰に売るか」が明確だったことだと思います。Makuakeの支援者という既存のファン層がいたので、自社ECを開いたときには「待っていました」と来てくれる人がいた。それが初速につながりました。ただ、それだけではなくて、ECサイト自体の設計――商品ページの訴求、購入フローのスムーズさ、SNSからの流入導線――がきちんと機能していたことも大きいと思っています。「とりあえず作った」サイトではなく、「売れるように設計されたサイト」として立ち上げられたことが、黒字化のスピードにつながったと振り返っています。
-運営体制の構築で、特に力を入れたのはどんな部分ですか?
CS(カスタマーサポート)の仕組み化が、思っていた以上に重要でした。D2Cって、お客様との距離が近い分、問い合わせ対応の品質がブランドの印象に直結するんですよね。返答の遅れや対応のバラつきが、そのままブランドへの信頼を下げてしまう。なので、よくある問い合わせへの対応テンプレートや、エスカレーションのフローをしっかり作りました。これが仕組みとして機能しているおかげで、今は少人数でも品質を落とさずに回せています。
月商800万円超への成長:インフルエンサー×Meta広告×チャネル連携
-2か月で黒字化を達成した後、売上はどのように推移していきましたか?
黒字化したとはいえ、最初の数か月はまだ規模が小さくて、「継続できている」という感覚に近かったです。でも3か月、4か月と経つにつれて、売上が増え始めて、月の売上が少しずつ右肩上がりになっていきました。Makuakeで出会ったお客様が自社ECに移ってきてくれたり、SNSで知ってくれた新規のお客様が増えてきたり。それぞれのチャネルが少しずつ機能し始めた感覚がありました。そしてリリースから1年が経つ頃には、月商800万円を超えるようになっていました。
-月商800万円を達成するうえで、特に効いた施策は何でしたか?
大きく三つあります。インフルエンサーマーケティング、Meta広告、そしてチャネル全体の連携設計です。
まずインフルエンサーマーケティングについて。最初はフォロワー数の多い大手インフルエンサーに依頼することを考えていたんですが、コンサルティングの方からの提案で、フォロワー数万人規模のマイクロインフルエンサーを複数起用する方針に切り替えました。大手一人に費用をかけるより、ターゲット層にリーチしているマイクロインフルエンサーを複数動かした方が、エンゲージメントも購買転換率も高かった。「この人が使っているなら信頼できる」という距離感が、D2Cブランドとの相性がよかったんだと思います。
次にMeta広告です。Makuakeで得た支援者データや自社ECの購買データをもとに、類似オーディエンスを組んで配信しました。ゼロからターゲットを探すのではなく、すでに買ってくれたお客様に近い人へリーチする設計です。クリエイティブはSNS投稿の中でオーガニックで反応がよかったものを広告に転用する形にして、制作コストを抑えながら精度を上げていきました。最適化が進んでからはROASが安定して3〜4倍台を維持できるようになり、CPAも許容範囲内で新規獲得できる状態になりました。広告費をかけた分だけきちんと回収できるエンジンが出来上がったことで、予算を増やすほど売上が伸びるサイクルに入れました。
そしてこの二つを単発で動かすのではなく、インフルエンサー投稿→SNSフォロワー増加→Meta広告で類似配信→EC流入→LINEでリピート促進、という一連の流れとして設計したことが積み上げにつながりました。どれか一つが突出して効いたというより、全部がかみ合ってきた感じです。
-インフルエンサー選定で、失敗や試行錯誤はありましたか?
ありました。最初の数人は、フォロワー層とうちの商品のターゲットがずれていて、投稿してもらっても反応が薄かったです。フォロワー数だけ見て選んでいた時期の話です。そこからコンサルティングの方と一緒に選定基準を作り直しました。フォロワーの年齢層・性別・エンゲージメント率、そのインフルエンサーが過去に紹介した商品のジャンルとの親和性――こういった指標を複合的に見て判断するようにしてから、費用対効果が明らかに上がりました。今では「このインフルエンサーなら刺さる」という感覚が自分たちにも育ってきていて、それ自体がブランドの資産になっていると感じています。
-Meta広告の運用で、特に意識したことはありますか?
クリエイティブの鮮度管理です。同じ広告を長期間回し続けると、どうしても反応率が落ちてくる。なのでSNSの投稿データを見ながら、反応のいいビジュアルや訴求軸を定期的に広告クリエイティブに反映させていきました。SNSと広告が別々ではなく、SNSが広告のテスト場になっている感覚です。オーガニックで伸びたものは広告でも刺さりやすい、という法則が自分たちの中で見えてきてから、クリエイティブの精度が一気に上がりました。またROASが3〜4倍台で安定してからは、月次で広告予算の増減を判断する基準も作れて、感覚ではなくデータで意思決定できるようになったことも大きな変化でした。
-リピーターの定着に向けて、具体的にどのような取り組みをしましたか?
一番力を入れたのは、購入後の体験設計です。ECって、どうしても「売ったら終わり」になりがちなんですが、D2Cの強みは購入後もお客様と直接つながれることだと思っています。届いたときの梱包の丁寧さ、同封するメッセージの内容、購入後のフォローメール、次回購入への自然な誘導――こういった細かい体験の積み重ねが、「また買いたい」という気持ちにつながると信じてやってきました。数字で見ると、リピート率が上がるにつれて月商も安定して伸びていったので、間違っていなかったと思っています。
-売上が伸びるにつれて、運営面での課題も出てきたのではないですか?
出てきました。嬉しい悲鳴ですが、注文が増えるほどロジ・CS・在庫管理の負荷が上がっていくので、立ち上げ時に作った仕組みをアップデートし続ける必要がありました。ただ、最初から「スケールすることを前提とした仕組み」を作っていたことが、ここで活きました。個人の頑張りに依存する運営ではなく、フローとして機能する体制にしていたおかげで、売上が伸びても崩壊せずについていけた。立ち上げ時にここをちゃんと設計しておいてよかったと、改めて感じました。
振り返りと今後
-振り返って、コンサルティングを受けて一番よかったと感じる点はどこですか?
「わからないことをそのままにしなくて済んだ」ことです。起業したばかりで、ECもSNSもMakuakeも初めての経験ばかりで、正直どこから手をつければいいかすら迷う状態でした。そこに「こうすればいい」という具体的な答えを持っている人がいてくれることの安心感は、数字以上の価値がありました。もちろん数字の結果も出たんですが、それ以上に「正しい方向に進んでいる」という自信を持って動けるようになったことが、一番大きかったと思っています。
-リリース1年という節目を経て、今後はどのような展開を考えていますか?
月商800万円はあくまで通過点だと思っています。次のフェーズは、ブランドとしての認知をさらに広げながら、商品ラインナップを拡充していくことです。Makuakeでの成功体験があるので、新商品のローンチにもクラウドファンディングを活用しながら、既存のお客様と新規のお客様の両方に届けていきたい。ECの売上規模が上がってきた今、次の打ち手への投資判断もしやすくなってきています。ゼロから始まったブランドが、ようやく「次のステージ」を考えられる場所に来た、という実感があります。
-これからD2CやMakuakeへの挑戦を考えている方に、メッセージをいただけますか?
「わからないから後回し」は一番もったいないと思います。私たちも最初は何もわからなかったけれど、知っている人と一緒に動くことで、想像より早く結果が出せました。MakuakeもECも、仕組みとして理解して設計すれば、ちゃんと機能する。ただ、それを一人で学びながらやろうとすると、時間がかかりすぎる。自分たちのリソースをどこに使うかを考えると、専門家の力を借りることは決して遠回りではなく、むしろ最短ルートだと実感しています。










