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EC販売とは?~基礎知識から成功へのロードマップまでプロが徹底解説~

「実店舗の売上が伸び悩んでおり、新しい販路を開拓したい」EC事業を始めたいが、仕組みが複雑で何から手をつければいいか分からない…近年、私たちの生活に欠かせないものとなったEC(電子商取引)市場規模は年々拡大を続けており、ビジネスチャンスに満ちていることは間違いありません。

しかし、いざ参入しようとすると、「モール」「ASP」「SEO」「LTV」といった専門用語の壁にぶつかり、立ち止まってしまう担当者様も少なくありません。EC販売は、単なる「インターネット上の自動販売機」ではありません。

「商品を置いておけば勝手に売れる」というのは大きな誤解です。

実店舗と同じく、いえ、対面できない分それ以上に「丁寧な接客」と「緻密な集客」が求められるビジネスなのです。本記事では、数々のECサイト構築・運営支援に携わってきた筆者が、EC販売の基礎知識から、自社に最適な出店パターンの選び方、そして失敗しないための運営のコツまでを解説します。

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目次

そもそも「EC販売」とは?

EC」という言葉、日常的に耳にするようになりましたが、その正確な意味や実店舗との本質的な違いについて、改めて問われると言葉に詰まってしまう方もいるかもしれません。

本章では、EC販売の基礎定義から、なぜこれほどまでに市場が拡大しているのか、その背景とポテンシャルについて解説します。

EC販売の定義と仕組み

ECとは「Electronic Commerce(エレクトロニック・コマース)」の略称で、日本語では「電子商取引」と訳されます。難しく聞こえるかもしれませんが、シンプルに言えばインターネット上でモノやサービスを売買すること全般を指します。

Amazonや楽天市場での買い物はもちろん、ネットスーパー、動画配信サービスの契約、あるいは個人がフリマアプリで不用品を売る行為も、すべて広義の「EC」に含まれます。

実店舗とEC販売の決定的な違い

実店舗(リアル店舗)での販売と、EC販売。この2つの最大の違いは、物理的な制約(時間と場所)の有無にあります。イメージしやすいように、両者のビジネススタイルを比較してみましょう。

    実店舗=「待ち」のビジネス

    場所の制約:お店のある場所(商圏)に来られるお客様しかターゲットにできません。
    時間の制約:営業時間外は売上が発生しません。
    スタイル:お客様が足を運んでくれるのを「待つ」必要があります。

    EC販売=「攻め」のビジネス

    場所の制約なし:北海道の倉庫から、沖縄のお客様へ商品を届けることが可能です。商圏は「日本全国」、あるいは「世界中」に広がります。
    時間の制約なし:24時間365日、あなたが眠っている間もお店はオープンしており、注文を受け付けられます。
    スタイル:検索や広告を通じて、欲しいと思っているお客様にこちらからアプローチ(攻め)が可能です。

    つまり、EC販売を始めるということは、「商圏の壁」と「時間の壁」を取り払い、ビジネスの可能性を無限に広げることと同義なのです。

    データで見る市場規模と将来性

    ECが便利なのは分かるけれど、市場はもう飽和しているのでは?」と懸念される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、経済産業省が発表している「電子商取引に関する市場調査」のデータを見ると、その懸念は杞憂であることが分かります。

    日本のBtoC(消費者向け)EC市場規模は、ここ数年右肩上がりで拡大を続けています。特に、物販系分野における「EC化率(すべての商取引のうち、EC経由で行われた割合)」も年々上昇しており、私たちの消費行動がリアルからネットへ着実にシフトしていることが数字として表れています。

    今から参入しても遅くはない理由

    市場が拡大している一方で、「競合が多くて、今さら参入しても勝てない」という声も聞かれます。確かに、ただ商品を並べるだけのECサイトであれば、生き残るのは難しいでしょう。しかし、以下の理由から、参入のチャンスは依然として大きく開かれています。

    理由1

    「ニッチ」な需要が拾える

    実店舗では陳列スペースに限りがあるため、売れ筋商品しか置けません。しかしECなら、特定の趣味嗜好を持つ層に向けた「尖った商品」でも、全国からファンを集めることができます。

    理由2

    BtoB(企業間取引)のEC化が進んでいる

    消費者向けだけでなく、企業間の受発注も電話・FAXからECWeb受発注)へと移行が進んでおり、ここはまだブルーオーシャンといえる領域が多く残されています。 

    理由3

    テクノロジーの進化以前なら数百万円かかったシステム構築が、今では低コストで、しかも専門知識なしで始められるサービス(ASPカートなど)が充実しています。

    「もう遅い」ということはありません。むしろ、インフラが整い、消費者のネット購入への心理的ハードルが下がった今こそが、リスクを抑えて参入できる好機と言えるでしょう。

    次章では、一口にECと言ってもどのような種類があるのか、「4つのビジネスモデル」について具体的に見ていきます。

    EC販売における4つのビジネスモデル

    EC販売」と一口に言っても、誰が誰に向けて商品を販売するかによって、ビジネスの戦い方やルールは大きく異なります。

    自社がどのフィールドで戦うべきかを見誤ると、どんなに良い商品を持っていても成果を出すことはできません。ここでは、代表的な4つのビジネスモデルについて解説します。

    特に、近年急速に成長している「DtoC」については、ぜひ押さえておいてください。

    BtoC(Business to Consumer)

    企業一般消費者に販売するモデル

    これが最も一般的で、皆さんが「ネット通販」と聞いて最初にイメージする形態でしょう。Amazonや楽天市場に出店しているショップや、ユニクロやヨドバシカメラの公式通販サイトなどがこれに該当します。

      ◦特徴:市場規模が大きく、日用品から高額家電まであらゆるものが取引されます。

      ◦課題:参入障壁が低いため競合が多く、価格競争に巻き込まれやすい傾向があります。「自社ならではの強み」をどう打ち出すかが生存のカギとなります。

      BtoBBusiness to Business

      企業企業に販売するモデル

      メーカーが卸売業者に販売したり、問屋が小売店に商品を卸したりする取引(卸売EC)や、オフィス用品の通販(アスクルやモノタロウなど)が該当します。

      一般消費者の目には触れにくい領域ですが、実はBtoC市場よりも市場規模は圧倒的に巨大です。

      従来、電話やFAX、ルート営業で行われていた受発注業務をEC化(Web受注)することで、業務効率を劇的に改善できるため、現在多くの企業がシステム導入を進めています。

      CtoCConsumer to Consumer

      個人個人に販売するモデル

      「メルカリ」などのフリマアプリや、「ヤフオク!」などのオークションサイトが代表例です。企業が間に入らず、プラットフォームを介して個人同士が直接取引を行います。

        ◦特徴:手軽に始められるため、テストマーケティングとして「市場の反応を見る」ために利用する小規模事業者もいます。
        ◦注意点:あくまで個人間取引の延長であるため、企業として本格的にブランドを構築したり、大規模な売上を作ったりする基盤としては不向きです。

        DtoCDirect to Consumer

        メーカー/ブランド消費者に直接販売するモデル

        今、EC業界で最も注目されているのが、この「DtoCD2C)」です。従来、メーカーが商品を作った場合、商社や卸問屋、小売店(デパートやスーパー)を経由して消費者に届けるのが一般的でした。

        しかしDtoCでは、これらの中間業者を一切通さず、自社のECサイトを通じて直接お客様に商品を販売します。

        なぜ今、DtoCが選ばれるのか?

        多くの企業がDtoCに参入する理由は、主に2つのメリットがあるからです。

        メリット1

        高い収益性(中抜きの解消)中間マージンが発生しないため、その分を利益として確保できます。あるいは、原価にお金をかけて「高品質な商品を、適正価格で」提供することも可能になります。 

        メリット2

        顧客との「直接のつながり」とブランディングこれが最大のメリットです。

        例えば、デパート(小売店)で商品を売った場合、「誰が買ったか」という詳細な顧客データはデパート側の持ち物となり、メーカーには分かりません。しかしDtoCなら、どんなお客様が、何を気に入り、どれくらいの頻度で買っているかという貴重なデータを自社で蓄積できます。

        また、ブランドの世界観をWebサイト上で余すことなく表現できるため、単なる「購入者」ではなく、ブランドの「ファン」になってもらいやすいのです。

        初心者はどこを目指すべき?

        これからEC事業を立ち上げる企業の多くは、「BtoC」あるいは「DtoC」のモデルを目指すことになるはずです。

        ◦商品を仕入れて売るならBtoC
        ◦自社で商品を企画・製造しているならDtoC

        ご自身のビジネスがどちらのタイプに当てはまるのかを整理することが大切です。そのうえで、「自社ECサイト」と「ECモール」どちらが販売しやすいのか、売り上げを拡大しやすいのかを決めるといいでしょう。

        自社ECサイト vs ECモール

        EC販売を始めようとしたとき、最初にぶつかる最大の分岐点がどこで売るかという問題です。

        Amazonや楽天に出店するべきか?」「それとも、ShopifyBASEなどで自分たちだけのサイトを作るべきか?」この選択を間違えると、集客に苦戦したり、利益が残らなかったりと、事業計画が大きく狂うことになります。それぞれの特徴を正しく理解するために、ここでは「リアルな店舗出店」に置き換えて考えてみましょう。

        2つの出店形式を「街」でイメージする

        ECの出店形式は、大きく分けて以下の2つです。これらは、リアルの世界では次のような物件に相当します。

        ◦ECモール(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)=「デパートや巨大ショッピングセンターのテナント」

        すでに多くの人が集まっている巨大な建物の中に、一区画を借りてお店を出すスタイルです。

        ◦自社ECサイト(ShopifyMakeShopBASEなど)=「路面店」

          自分たちの土地に、自分たちの好きな内装でお店を建てるスタイルです。住所(ドメイン)も独自のものを持ちます。それぞれのメリット・デメリットを、この「テナント」と「路面店」のイメージを持ちながら見ていきましょう。

          ECモール(デパートのテナント)の特徴

          Amazonや楽天市場に代表されるECモール。最大の特徴は、圧倒的な集客力という巨大な看板の力を借りられる点です。

          メリット

          集客のハードルが低い

          デパートに出店すれば、お店の知名度がゼロでも、デパートに来たお客さんがついでに立ち寄ってくれます。これと同様に、ECモールには「何かを買いたい」という意欲の高いユーザーが毎日数千万人単位で訪れます。そのため、出したばかりの商品でも、検索にさえ引っかかればすぐに売れる可能性があります。

          デメリット

          手数料と「顧客資産」の問題

          一方で、デパートの家賃が高いのと同様に、出店料や販売手数料(ロイヤリティ)が割高になる傾向があります。

          また、最大の問題は顧客リストが自社のものになりにくいという点です。モールでお買い物をしたお客様は、「〇〇というお店で買った」という認識よりも、「楽天で買った」「Amazonで買った」という認識が強くなります

          。そのため、お店のファンになってもらうことが難しく、次回もまた買ってもらうためのアプローチ(メルマガ配信など)に制限がかかる場合が多いのです。

          自社ECサイト(路面店)の特徴

          独自のドメインを取得し、ASPカートなどのシステムを使って構築する自社サイト。最大の特徴は、「自由度の高さ」と「利益率」です。

          メリット

          ブランディングと顧客資産の蓄積

          路面店なら、内装も接客も自由自在です。Webサイトのデザインをブランドの世界観に合わせて作り込み、ファンを濃く育てることができます。また、購入してくれたお客様のデータは100%自社のものです。「以前この商品を買った方に、新商品のお知らせを送る」といった追客(CRM)も自由に行えます。

          モールへの手数料がない分、利益率が高くなるのも大きな魅力です。

          デメリット

          初期は「インターネット上の孤島」

          ここが最も重要です。どんなに素敵な路面店を建てても、人通りのない山奥に建ててしまっては、誰も来てくれません。開設したばかりの自社ECサイトは、まさにインターネット上の孤島です。Google検索で上位に表示されたり、SNSで話題になったりしない限り、自然にお客様が来店することはあり得ません。

          そのため、自力でお客様を連れてくる「集客スキル(Web広告やSEO)」が必須となります。

          初心者はどちらを選ぶべきか?

          「集客力のモール」か、「利益と自由の自社サイト」か。迷ったときは、以下の基準で判断することをおすすめします。

            ECモールがおすすめな場合

            ◦「商品そのもの」に力がある場合(型番商品や、価格競争力があるもの)。
            ◦ブランドの知名度がまだなく、とにかく早く「最初の1個」を売りたい場合。
            ◦Webマーケティングに詳しい担当者が社内にいない場合。

            自社ECサイトがおすすめな場合

            ◦「世界観」や「ストーリー」を売りたい場合(アパレル、D2Cコスメなど)。
            ◦すでにSNSのフォロワーがいる、あるいは実店舗の顧客リストがあるなど、自力で集客できる見込みがある場合。
            ◦リピーターを育てて、長く愛されるブランドを作りたい場合。

            理想は「併用戦略」

            資金やリソースに余裕があるなら、「まずはモールで知名度を上げ、商品のファンが増えてきたら自社サイトへ誘導する」という両輪使いが最強の戦略です。

            しかし、リソースが限られる中小企業や個人の場合、最初から両方を追うと共倒れになります。まずは自社の商材が「指名買いされるブランド(自社サイト向き)」なのか、「比較検討されて選ばれる商品(モール向き)」なのかを見極め、どちらか片方にリソースを集中させることから始めましょう。

            次章では、EC運営を成功させるために、具体的に日々どのような業務が必要になるのか、「バックヤードの裏側」に光を当てて解説します。

            関連記事:自社ECサイトとECモールの違いを比較~メリット・デメリットと選び方~ | TSUMUGU(ツムグ)|自社EC・楽天市場・Amazon・Webマーケティングコンサルティング

            EC運営に必要な「4つの業務フロー」

            ECサイトを作れば、あとは自動で商品が売れていく」もし、そんなイメージをお持ちだとしたら、それは少し危険です。

            EC販売は、24時間営業のお店を運営する「総力戦」です。PC画面の向こう側で、誰かが汗をかいて動かなければ、商品はただの1つもお客様の手元には届きません。

            本章では、EC運営に欠かせない業務を「フロントオフィス(お客様に見える業務)」と「バックオフィス(お客様に見えない業務)」2つに分け、さらに細分化した「4つの業務フロー」として解説します。

            フロントオフィス業務

            お客様を「連れてくる・もてなす」

            まずは、お客様の目に直接触れる「お店の顔」となる業務です。実店舗で言えば、「チラシを配って集客し、魅力的なディスプレイで購買意欲をそそる」役割に当たります。 

            マーケティング(集客・販促)

            どんなに良いお店も、知られなければ存在しないのと同じです。Web広告の運用、SNSでの発信、メルマガ配信、SEO対策などを行い、インターネットという大海原から自社サイトへお客様を誘導します。 

            「誰に」「何を」伝えるかという企画力が問われる、ECの花形業務と言えるでしょう。

            マーチャンダイジング(商品企画・MD)とサイト制作

            「何を売るか」を決め、それを魅力的に見せる作業です。ただ写真を載せるだけではありません。商品の魅力が伝わる紹介文(ライティング)を考え、特集ページを組み、季節に合わせたバナーを配置します。

            業界用語で「ささげ業務(撮影・採寸・原稿)」と呼ばれる、地道ですが売上を左右する重要な作業もここに含まれます。

            バックオフィス業務

            お客様に「届ける・サポートする」

            お客様からは見えない裏方の業務です。実店舗で言えば、「在庫を管理し、レジを打ち、商品を丁寧に包んで手渡す」役割です。地味に映るかもしれませんが、EC運営の実務の大半はこのバックオフィス業務が占めています。

            受注処理・在庫管理

            注文が入ったら、その内容を確認し、サンクスメールを送信し、出荷指示を出します。

            ここで最も恐ろしいのが「売り越し(在庫がないのに注文を受けてしまうこと)」です。

            これが発生するとお客様に多大な迷惑をかけるため、複数のモールに出店している場合は、在庫を一元管理するシステムなどの導入が不可欠になります。

            出荷・配送・CS(カスタマーサポート)

            商品を梱包し、配送業者に引き渡し、発送完了メールを送ります。そして、お客様からの「いつ届きますか?」「返品したいのですが」といった問い合わせに対応します(CS)。

            顔が見えないECだからこそ、メールの文面一つ、梱包の丁寧さ一つが、お店の評価を決定づけます。

            成功の鍵は「バックオフィス」にあり

            これからECを始める方に、私が必ずお伝えしていることがあります。

            「売上を作るのはフロント業務だが、信頼を作るのはバックオフィス業務である」

            初心者の多くは、どうしても目に見える「サイトのデザイン」や「広告のキャッチコピー」といったフロント業務に力を入れがちです。もちろん、最初のお客様を呼ぶためにはそれらが必要です。

            しかし、ECビジネスの利益を支えるのはリピーターです。一度購入したお客様が「またこの店で買いたい」と思うかどうかは、実は「商品そのもの」以上に、以下の体験にかかっているのです。

              ◦「注文してすぐに届いたか?」
              ◦「梱包は丁寧で清潔だったか?」
              ◦「問い合わせへの返信は早くて親切だったか?」

              どんなにサイトがおしゃれでも、配送が遅かったり、問い合わせを無視されたりすれば、そのお客様は二度と戻ってきません。

              逆に、バックオフィス業務が完璧であれば、多少サイトのデザインが素朴でも、「信頼できるお店」としてファンは定着します。

              これから体制を整える際は、どうしても派手なマーケティングに目が向きがちですが、滞りなく商品を届ける物流・CS体制こそが、最強のマーケティング土台になることを忘れないでください。

              さて、運営のイメージが湧いてきたところで、次章ではいよいよ実際にECサイトを作るための具体的な手順、「構築からオープンまでの5ステップ」について解説します。

              ECサイト構築からオープンまでの5ステップ

              ECの仕組みや業務内容を理解したところで、いよいよ実践編です。実際に自分たちのECサイト(自社サイト)を立ち上げるまでの流れを、5つのステップに分けて解説します。

              やみくもに作り始めるのではなく、正しい手順で進めることが、手戻りのないスムーズなオープンの秘訣です。

              STEP1:コンセプト設計(設計図を描く)

              家を建てるとき、設計図なしにいきなり柱を立てる大工さんはいません。ECサイトも同様です。まずは、以下の「3つの要素」を言語化し、サイトの設計図(コンセプト)を固めましょう。

              ◦誰に(Targetどんな悩みや欲求を持った人に届けたいのか?(例:30代の忙しい共働きママ)

              ◦何を(Product商品の強みは何か?競合商品と何が違うのか?(例:時短でプロの味が楽しめる冷凍キット)

              ◦どのように(Howどんな世界観やサービスで提供するか?(例:温かみのあるデザインと、レシピ動画によるサポート)

              ここがブレていると、誰にも刺さらない「なんとなく存在するだけのサイト」になってしまいます。

              STEP2:プラットフォーム(カートシステム)選定

              次に、ECサイトを作るためのシステム(カートシステム)を選びます。フルスクラッチ、パッケージ、オープンソースなど様々な種類がありますが、これからECを始める初心者の方には「ASPSaaS)型」一択であると断言します。

              ASP型とは?(Shopify, futureshop, BASE, STORESなど)

              クラウド上のシステムをレンタルして利用する形式です。

              • メリット:初期費用が安く(無料〜数万円)、システムが常に自動で最新版にアップデートされるため、セキュリティ対策やサーバー管理の知識が不要です。
              • 理由:かつては「ASPは機能が少ない」と言われましたが、現在は機能拡張アプリも充実しており、年商数億円規模のサイトでもASPで十分に運用可能です。まずはASPで小さく始め、売上が爆発的に伸びてから他のシステムを検討しても遅くはありません。

              STEP3:決済方法・配送業者の契約

              箱(システム)が決まったら、中身のインフラを整えます。

              決済方法のラインナップ

              ここで重要なのが「カゴ落ち(離脱)」対策です。お客様が「買おう」と決めてカートに入れたのに、決済画面で離脱してしまう最大の理由は、「希望する支払い方法がなかったから」です。

              • クレジットカード:必須です。
              • ID決済(Amazon Pay, 楽天ペイ, PayPayなど):住所入力の手間が省けるため、スマホユーザーの購入率(CVR)を劇的に高めます。
              • 後払い:クレジットカードを持たない若年層や、カード情報の入力に不安がある層に需要があります。

              配送業者の選定

              ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便などの配送業者と契約を結びます。配送料は利益を直接圧迫するコストですので、見積もりを取り、自社の荷物サイズや出荷個数に合わせて最適な業者を選定しましょう。 

              STEP4:サイト制作・商品登録

              いよいよ、お店の内装と陳列です。ここでのポイントは、お客様は商品を手に取れないというハンデをどう埋めるかです。

              商品写真(ECの命)

              ECにおいて、写真は情報の8割を占めます。ただ写っているだけでなく、使用シーンがイメージできる写真、質感が伝わるアップ写真など、複数枚用意しましょう。

              商品説明文(接客トーク)

              スペック(サイズや素材)を書くだけでは不十分です。「この商品を使うと、あなたの生活がどう良くなるか(ベネフィット)」を、接客トークのように書き添えます。

              特定商取引法に基づく表記

              ネットショップ運営には法律で義務付けられた情報の掲載が必要です。返品特約や事業者情報など、テンプレートに従って正確に記載しましょう。

              STEP5:テスト注文・オープン

              すべての準備が整ったら、すぐにオープン!……といきたいところですが、必ずテスト注文を行ってください。

              自分自身が客となって実際に注文し、以下の点を確認します。

              ◦決済は正常に通るか?

              ◦「注文確認メール」は適切な文面で届くか? 

              ◦送り状(配送伝票)は正しく発行できるか?

              トラブルがないことを確認したら、いよいよサイトオープンです。

              ここまでの5ステップで、あなたのお店はインターネット上に産声を上げました。しかし、本当の勝負はここからです。

              先述した通り、生まれたばかりのECサイトは「無人島の路面店」です。次章では、このお店にお客様を呼び込み、売上を作るための最大の壁、集客とマーケティングについて解説します。

              集客とマーケティングの基礎知識

              「苦労してサイトをオープンさせたのに、アクセスが全然ない……」「商品は売れるはずなのに、なぜか誰にも見つけてもらえない」

              これは、自社ECサイトを立ち上げたばかりの方が必ずぶつかる、最初の、そして最大の壁です。

              章でもお伝えしましたが、自社ECサイトはインターネット上の孤島です。Googleマップにも載っていない、人通りのない島にお店を開いただけでは、どんなに素晴らしい商品を扱っていても、お客様が偶然たどり着くことはあり得ません。

              本章では、この孤島にお客様を呼び込むための「橋」をかける作業、すなわちWebマーケティングの基礎について解説します。

              孤島に橋をかける「3大集客手法」

              お客様を連れてくる方法は無数にありますが、EC運営において主軸となるのは以下の3つです。それぞれの特徴を理解し、自社の予算や商材に合わせて使い分けることが重要です。

              SEO(検索エンジン最適化)

              GoogleYahoo!などの検索結果で、自社サイトを上位に表示させる手法です。例えば、「コーヒー豆通販」と検索したときに、1ページ目にあなたのお店が表示されれば、興味のあるお客様が自然と入店してくれます。

              ◦メリット:クリックされても広告費がかからないため、上位表示されれば「長期的な資産」になります。

              ◦デメリット:効果が出るまでに数ヶ月〜半年以上の時間がかかります。また、専門的なコンテンツ制作のノウハウが必要です。

              Web広告(リスティング広告・SNS広告)

              お金を払って、検索結果の上部やInstagramのフィードなどに強制的にお店の看板を出す手法です。

              ◦メリット即効性があります。出したその日からアクセスを集めることが可能です。

              ◦デメリット:出し続ける限り費用(コスト)が発生します。近年は広告費が高騰傾向にあり、利益を圧迫しないよう緻密な運用が求められます。

              SNS運用(InstagramXTikTokなど)

              自社のアカウントで情報を発信し、フォロワー(ファン)を集めてサイトへ誘導する手法です。特にアパレル、コスメ、食品など「写真映え」する商材とは相性抜群です。

              ◦メリット:お客様と直接コミュニケーションが取れ、UGC(口コミ)が広がりやすい点です。

              ◦デメリット:フォロワーを増やすには、地道で継続的な投稿が必要であり、担当者のセンスと労力が問われます。

              「穴の空いたバケツ」にならないために

                  集客にお金をかけて新規のお客様を連れてくることは大切です。しかし、それ以上に大切なのが、一度買ってくれたお客様を逃さないことです。

                  マーケティングの世界には「1:5の法則」という言葉があります。

                  これは、新規客に商品を売るコストは、既存客に売るコストの5倍かかるという経験則です。つまり、常に新規客ばかり追いかけているビジネスは、コストがかかりすぎて利益が残らない「焼畑農業」になりがちです。

                  ここで重要になる指標がLTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)です。

                  LTVとは?

                  ある一人の顧客が、取引開始から終了までに、トータルでどれだけの利益をもたらしてくれたかを表す指標です。

                  EC販売の成功モデルは、1回だけ売って終わりではなく、2回、3回とリピートしてもらい、このLTVを最大化することにあります。

                  リピーターを育てる「CRM」の重要性

                  LTVを高めるための施策を、専門用語でCRMCustomer Relationship Management:顧客関係管理)と呼びます。難しく聞こえますが、やることはシンプルです。

                  「お客様に、お店のことを忘れさせないこと」

                  人間は忘れる生き物です。どんなに気に入った商品でも、放っておけばお店の名前を忘れてしまいます。そうならないために、以下のようなツールを使って定期的にコンタクトを取りましょう。

                  ◦メールマガジン:新商品やセールの案内を送る(基本かつ最強のツールです)。

                  ◦LINE公式アカウント:メルマガよりも開封率が高く、気軽なコミュニケーションが可能。

                  ◦同梱物:商品発送時に、手書きのサンクスカードや次回使えるクーポンを同封する。

                  集客は「掛け算」で考える

                  初心者のうちは、全ての集客手法に手を出すとパンクします。まずは、「即効性のあるWeb広告」で最初のお客様を呼び込みつつ、並行して「資産になるSEOSNSを育て、購入してくれた方には「メルマガ(CRM)」でリピートを促す。

                  このように、複数の手法を組み合わせることで、孤島だったあなたのお店は、やがて多くの船が行き交う賑やかな港へと成長していきます。

                  さて、ここまでくればECの全体像はほぼ掴めたはずです。しかし、最後に避けて通れない現実的な話があります。それは「お金」の話です。

                  次章では、EC運営にかかる具体的な費用やコスト構造について、赤字にならないためのシミュレーションを含めて解説します。

                  EC販売にかかる費用・コスト

                  ここまで、ECの仕組みや集客方法について前向きな話をしてきましたが、最後に避けて通れない現実的なテーマがあります。それはお金(コスト)の話です。

                  「ネット販売は実店舗より安く始められる」これは事実ですが、「タダ同然で儲かる」という意味ではありません。

                  ECサイト運営には、目に見える費用だけでなく、意外な「隠れコスト」も発生します。これらを正確に把握していないと、商品は売れているのに、なぜか赤字が膨らんでいくという恐ろしい事態(貧乏暇なし状態)に陥りかねません。

                  本章では、EC運営にかかるコスト構造を分解し、利益を残すためのポイントを解説します。

                  初期費用(イニシャルコスト)

                  お店をオープンするまでにかかる「準備金」です。実店舗で言うところの「敷金・礼金」「内装工事費」にあたりますが、ECの場合は選ぶシステムによってピンキリです。

                  システム導入費

                  章で推奨した「ASPShopifyBASEなど)」であれば、初期費用は0円〜数万円程度で済みます。

                  一方、大規模なカスタマイズが必要な「パッケージ」や「フルスクラッチ」の場合、数百万円〜数千万円単位の投資が必要になります。

                  デザイン・制作費

                  サイトのデザインやバナー制作を外注する場合の費用です。

                  撮影・素材準備費

                  プロのカメラマンに商品撮影を依頼する場合の費用です。「ECにおいて写真は接客そのもの」ですので、ここは初心者が妥協すべきではない投資ポイントです。

                  ランニングコスト(固定費・変動費)

                  ここが重要です。お店を開けている限り、毎月かかり続ける費用です。ランニングコストは、さらに「固定費」と「変動費」の2つに分けられます。

                  固定費(売上がゼロでもかかる費用)

                  ◦システム利用料(月額)ASPの月額プラン料金など。

                  ◦ドメイン・サーバー代Web上の住所と土地代。

                  ◦撮影・制作費(更新分):新商品の追加にかかる費用。

                  変動費(売れるほど増える費用)

                  初心者が計算を見誤りやすいのが、この変動費です。

                  ◦決済手数料:クレジットカードなどで支払われた際、売上の34%程度が引かれます。

                  ◦販売手数料(モールの場合):楽天やAmazonなどのモールでは、売上の815%程度の手数料が発生します。

                  ◦配送費:商品をお客様に届ける送料です。

                  ◦梱包資材費:ダンボール、緩衝材、ラッピング費用など。

                  ◦広告宣伝費Web広告を出稿する場合の費用。一般的に、売上の1020%程度を目安に運用します。

                  「送料負け」と利益シミュレーション

                  EC運営で最も陥りやすい失敗、それは利益シミュレーションの甘さです。

                  例えば、1,000円の商品を売るとします。原価が300円なら、700円の儲け……ではありませんよね。

                  商品売価:1,000

                  ◦原価:-300
                  ◦送料:-600
                  ◦決済手数料:-40
                  ◦梱包費:-50
                  ◦広告費:-200円(1件獲得にかかったコスト)
                  ◦最終利益:-190円(赤字)

                  このように、送料や広告費を差し引くと、売れば売るほど赤字になるケースがあります。これを送料負けと呼びます。特に低単価な商材(食品や雑貨など)を扱う場合は、このリスクが非常に高くなります。

                  利益を残すための鉄則

                  これを防ぐためには、どんぶり勘定ではなく、以下の対策が必要です。

                  ◦「限界利益」を把握する:1個売ったときに、手元にいくら現金が残るのか、1円単位で計算してください。

                  ◦セット販売で「客単価」を上げる:1,000円の商品を1個送るのと、3個セット(3,000円)で送るのとでは、送料はほぼ変わりません。まとめ買いを促すことで、送料比率を下げ、利益率を劇的に改善できます。

                  ◦「送料無料」の安易な設定に注意:「〇〇円以上で送料無料」は強力な販促ですが、その送料負担はお店側にかかってきます。利益が出るラインを見極めて設定しましょう。

                  EC販売は、華やかなマーケティングだけでなく、こうした地味で緻密な計算の上に成り立っています。

                  「売上(トップライン)」だけでなく、利益(ボトムライン)を常に意識することが、長く愛されるお店を続けるための条件です。

                  さて、長きにわたり解説してきた本記事も、次で最後となります。最終章では、全体のまとめと、あなたが今すぐ踏み出すべき「最初の一歩」についてお話しします。

                  EC販売は「魔法の杖」ではない

                  本記事で繰り返しお伝えしてきた通り、ECサイトを作ったからといって、魔法のように翌日から注文が殺到することはありません。

                  自社ECサイトは「インターネット上の孤島」であり、橋をかける(集客)努力が必要です。EC運営は「総力戦」であり、華やかなフロント業務だけでなく、地味なバックオフィス業務が信頼を支えています。

                  ECとは、PC画面を通じたデジタルな店舗運営そのものです。実店舗でお客様に「いらっしゃいませ」と声をかけ、商品をきれいに並べ、丁寧に手渡す。この商売の基本は、リアルでもネットでも何ら変わりません。

                  この「当たり前」を泥臭く続けられる企業こそが、ECの世界でも大きな成果を掴むことができます。

                  成功の秘訣は「スモールスタート」と「高速PDCA

                  これから始める方に、私が最も強くおすすめしたい戦略があります。それは、小さく始めて(スモールスタート)、走りながら改善することです。

                  実店舗の場合、一度建てた建物を壊して作り直すのは大変ですが、ECサイトは違います。Web上の店舗は、何度でも、低コストで改装(リニューアル)が可能です。

                  最初から100点満点のサイトを目指して、準備に1年もかける必要はありません。

                  まずは60点の出来でもいいのでオープンし、お客様の反応を見ながら、写真を変え、文章を直し、広告を調整していく。

                  この仮説・実行・検証・改善(PDCA)」のサイクルをいかに高速で回せるかが、勝負の分かれ目となります。失敗を恐れず、まずは市場に商品をさらしてみることが、成功への最短ルートです。

                  一人で抱え込まず、プロやツールを頼る

                  最後に、もう一つだけアドバイスがあります。すべてを自社(自分)だけでやろうとしないでください。

                  EC運営には、マーケティング、デザイン、撮影、ライティング、物流、CS、データ分析など、多岐にわたる専門スキルが求められます。これを担当者一人、あるいは少人数ですべて完璧にこなすのは不可能です。

                  ◦サイト構築は、便利な「ASPカート」に頼ってください。

                  ◦物流が大変になったら、「物流代行サービス」を使ってください。

                  ◦集客に行き詰まったら、「外部のコンサルタント」や「広告代理店」に相談してください。

                  適切なツールやパートナーに頼ることは、決して甘えではありません。それは、あなたがコア業務(商品企画やお客様との対話)」に集中するための、賢い経営判断です。

                  今、EC市場はかつてないほどの盛り上がりを見せています。正しい知識を持ち、お客様への誠実さを忘れずに取り組めば、あなたの会社の素晴らしい商品は、必ずや全国・世界のお客様に届き、愛されるブランドへと成長していくはずです。

                  TSUMUGUでは「自社ECの立ち上げで課題を感じている」「少数でECを運営したいがわからない」などで悩んでいる企業さまにD2C創業者、自社ブランド立ち上げ経験者、ブランドマネージャーの”経験者”が伴走支援します。自社ECサイト立ち上げで課題を感じている方はお気軽にご相談ください。⇒まずは課題を相談する(無料)

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